コンテンツ

『妙見菩薩像』いろいろなお姿の妙見菩薩

  • 中世以前の妙見様のお姿は、図像集にある菩薩形や吉祥天と同じだったようです。日本の美術『妙見菩薩と星曼荼羅』林温著によると、古代には妙見菩薩像と吉祥天像は、ほぼ同じお姿だったようだ。現在に残されている古い時代の吉祥天は妙見菩薩の可能性があるようです。
     
  • 日本の美術『中世の童子形』津田徹英著が童子形の妙見菩薩の成り立ちについて詳しい。
     
  • 童子形は、「髪が長い」「袍(ほう)の下に胸甲を着ている。あるいは胸甲のみ。」「剣(七星剣)を持つ(持たない像もある)」「亀に乗る(乗らない場合もある)」とした特色があります。日蓮宗系の菩薩像(能勢形)、鷲妙見(お酉様)、また、密教系、北辰霊符神もあります。

    日本の美術『中世の童子形』津田徹英著によれば、中世千葉氏系東(とう)氏が伝える千葉県東庄町保管の童子姿の妙見神像を説明し、
    「その姿は髪を撫で付け、後頭部から背面にかけて長く伸ばし、垂下させる被髪(ひはつ)とし~略~
    平安・鎌倉時代を通じ、密教の図像集や事相書類には全く言及が無く、我が国特異な被髪の姿は求む
    べきもない。ただし、視野を中国にまで広げるとき極めて近い像容を示すのが真武神である。」
    11世紀に成立した道教の神『真武』の姿は、髪の毛を腰まで伸ばした被髪姿であるが童子姿ではない。日本においては、「中世には、子供は老人と共に神に近い存在であったことは、国文学や歴史岳、民俗学といった分野から指摘されて久しい。」としている。「中世には多くの童子形の仏像、神像が作られ、聖徳太子や山越阿弥陀如来来迎図の持幡童子などがよく知られている。」とも書かれている。
     
  • 鎌倉時代には千葉氏・大内氏などは中国と直接交易していたが、真武像を直接妙見として取り入れず、童子形の御尊像を造立し信仰した。

妙見菩薩のお姿札と掛軸   

平安期までの妙見菩薩像

平安期までの妙見菩薩像



図像集に見られる御尊像

少ないがわずかに残っている。奈良・法輪寺の像など。

吉祥天

吉祥天
古い像は妙見菩薩の可能性がある。
元羽黒山にあった羽黒正善院蔵の三所権現懸け仏の妙見菩薩は吉祥天の姿をしている。
羽黒三所権現(聖観音、妙見菩薩、軍茶利明王)
  山形 正善院黄金堂
201672383219.jpg

 童子形

真武(中国)→童子形妙見菩薩(日本)へ。像は一見女性像に見えるものもある。玄武神が日本に渡り童子形の像となったとする立場ならば男神だと思います。秩父の妙見様は女神と言われますが、養蚕神との習合と思われます。 養蚕神ブログ

よみうりランド妙見堂 東京都稲城市矢野口4015-1

妙見菩薩像は重文

妙見菩薩像は重文。
伊勢・間の山の天台宗常明寺に祀られていた。
美豆良髪のお姿

201672383133.jpg

童子形

日蓮上人(1222 ~ 82)が立教開宗をされる直前、常明寺で一百日間沐浴参籠した折り、妙見菩薩が示現したと伝えられる。
しかし、この話しが文献に表れるのは、享保8(1723)年の「本化別頭高祖伝」より。
ただし日 蓮上人の遺文には、北辰に言及している。

飯高寺妙見社 千葉県匝瑳市飯高1789
江戸時代は日蓮宗の飯高檀林
修行僧にとって「試験の神様」。日蓮宗に妙見信仰が広がった起点か。

能勢形像  江戸時代より

真如寺 大阪府豊能郡能勢町野間中661    日
関西一の妙見信仰能勢妙見の像は甲冑をまとい、右手を受け太刀に構え、左手を金剛不動印に結んで岸上に座った姿。大将軍八神社の大将軍神像によく似ていることから、関連があると思われています。

妙見信仰能勢妙見の像




能勢の妙見様は、隠れキリシタンの信仰もあったらしい。
能勢はキリシタン大名・高山右近の領地。
※隠れキリシタンは妙見菩薩を天帝として祀った。
江戸幕府はキリシタンの多い土地(天草など)に日蓮宗の僧侶を送り込んだようだ。

 北辰鎮宅霊符神尊星王

北辰鎮宅霊符神





北辰鎮宅霊符神 道蔵の「太上秘法鎮宅霊符」は中世初期に伝来したという。
鎮宅霊符神は近世まで広く信仰された。鎮宅霊符とは陰陽道の護符。
奈良市陰陽町には鎮宅霊符神社があり、陰陽師が住んでいた。

その他の形  少ないが神像の妙見様もある

広済寺 兵庫県尼崎市久々知1-3-27 日広済寺

近松門左衛門の墓がある。
ここにも隠れキリシタンの関連を指摘する説も
あるようだ。神像

長國寺・鷲妙見菩薩 東京都台東区千束3-19-6 日長國寺・鷲妙見菩薩

鷲に乗った妙見様。
神仏分離後に鷲神社共に浅草
お酉様の祭礼を行っている。

北斗七星

北辰
破軍星

各菩薩の担当は

日輪菩薩 正星であり 陽徳を司る 種子ベイ
月輪菩薩 法星であり 陰刑を司る 種子タラ
光明照菩薩 令星であり 障害を司る 種子キャ
増長菩薩 伐星であり 天理を司る 種子ハラ
依怙衆菩薩 殺星であり 中央・四方を司る 種子トロ
地蔵菩薩 陽星であり 天食五穀を司る 種子ナ
金剛手菩薩 部星であり 兵事を司る 種子ヴァ

※庚甲信仰北斗・山王信仰との関係が密接だそうです。
※韓国では北斗七星は神(七星堂・チルソンダン)

尊星王

尊星王




三井寺 滋賀県大津市園城寺町246    天

尊星王は北極星を神格化したもので、妙見菩薩ともいわれる。この尊星王を本尊とする尊星王法は国家安泰を祈る大法で、三井寺では智証大師が唐において師の法全より直接付与された法として重要視されてきた。

201554214431.jpg

 

 

   三井曼荼羅図中の尊星王(円泉寺蔵) リンク          

   三井曼荼羅図は三井寺(園城寺)内の諸尊図集

妙見地名などの分布

地名・妙見 全212件 妙見町 字妙見 字妙見平 字妙見山 など
地名・明見 全51件 明見町 字明見 など
地名・星宮 全41件 星宮 星の宮 など
地名 北辰8件 北斗20件 北星9件 玄武4件 七星1件 ※北海道の北斗、北辰は関係ないと思う。
妙見山 全76件  
遺跡 全93件 妙見城跡 妙見古墳 塚 など(星宮・北辰なども含む)
その他 全139件 岬 鼻 湧水 崎 浦 池 温泉 滝

ページトップ

ページ上部へ