数年前、県内の霊園にお墓のある、都内某家より電話がありました。
「○月□日に葬儀をお願いします。戒名は○○□□居士です。葬儀屋さんの紹介する僧侶ならお布施○○万円だそうですので、それでお願いします。」
その日は日曜日です。戒名も亡くなった故人の作ったものでした。
当日は法事が入っており、葬儀社の紹介するとすれば何処の僧侶が来るのか、本当に当派の僧侶なのかも分かりません。
聞いてみると、あやふやな答えしか返ってきません。
行けないので、同じ派の僧侶を御紹介することに致しました。
あちこち電話して、やっと八回目に行ってもらえる後輩が見つかり、詳細を知らせました。日曜日に、この時期に、それも数日後ですから、見つかってホットしました。
見つからない場合は、他派の友人達に紹介してもらうしかありません。
でも葬儀屋さんは、本当の僧侶に依頼するつもりだったのでしょうか。
お布施は全額後輩に渡してもらい、後輩にとっては遠方でしたので、通夜当日は自腹でホテルに泊まってもらうことにしました。
しかし、問題は戒名です。
「えっ!、これが戒名」としか思えません。亡くなった父親は私が以前同意したので、墓誌に彫ってあるのだそうです。聞いてませんよ!。
後輩も
「こんな戒名では、過去帳には載せられませんね。ひどい戒名を考えた住職がいたと思われかねませんよ。」
と、私と同じ意見です。
四十九日忌以降は喪主さんに後輩か、他のお寺さんに依頼してもらうよう話しました。
戒名といえども『名前』と同じです。
名字が『佐藤』、戒名が『○○□□居士』なら、
『佐藤○○』『佐藤□□』となるわけです。
【○○ □□は音(オン)で読んで下さい。】
あくまでもたとえですが、
『佐藤極楽』『佐藤天国』『佐藤天女』『佐藤観音』
では名前になりませんよね。
自分で考えたら名字を上にしてみてください。
たとえば『佐藤高峰』『佐藤隆覚』『佐藤妙清』『佐藤善照』ならOKです。
本人が、あるいはエセ僧侶、葬儀社(実際あるのです。)が考えた戒名には、これに似た例がありました。
あくまでも自分の考えた戒名にこだわるなら、まずはお付き合いのある僧侶に聞くべきでしょう。
親戚・友人・子孫などに笑われますよ。
追記
葬儀社と喪主が勝手に日程を組んだようです。
要するに「自分たちに合わせろ」です。
後輩からは、49日忌の依頼はなかったと連絡がありました。
通夜に、あえて嫌みなことを話してくれたそうです。(日曜日ですから、口の悪い後輩しか見つかりませんでした。)
親子共に自分が上の人だったのは、間違いありません。