2019年11月

賽の河原 お地蔵さま 掛軸

最近手に入れた掛軸です。あまり良い状態ではありませんが、慈愛に満ちたお地蔵様が、亡くなった子供達を救おうする表情にひかれました。
 
賽の河原の言葉を知っていても、どのような場所であるか知らない人が多いと思います。
私は寺の住職ですが、若かりし頃は意識したことがありません。
    水子Wikipediaリンク         
 
やたらと水子供養の宣伝をした寺や占い師などが出没し、「水子の祟り」などと言って、一時期は水子供養を行う寺が増えました。
あまりもの状態に、日本仏教界や宗派などでは、水子供養の自粛や禁止をしました。
その宗派の御住職は宗派から「水子供養を止めないと、僧侶資格を剥奪する」と言われたと話していました。
ホームページには、派手な宣伝が書かれており、田舎寺を維持するためとは言え、やり過ぎと思っていました。自業自得です。
 
 

 

亡くなった水子や死産、幼い子供は賽の河原に行くと言われていました。
昔はここから他の六道に行くのではなく、生まれ変わるとされていたのです。
 
縄文時代の住居跡から、子供の骨が入った土器が出土します。
長野県では、小さな子供の骨を家の玄関に埋めることが、戦後の一時まで行われていた地区があるそうです。
みんなに踏まれることにより、今度こそ強い子で生まれ変わって欲しいとの願いからでした。
今では信じられないことだと思います。
 

 

 

 

 

鬼達は怒っているわけではありません。

ここに二度と来ないで、元気に生まれ変わって欲しいと、怖い顔で子供達を見守っているのだと思います。

中世では、子供は神とされていました。
賽の河原の考えは、本来仏教の中にはありません。
お地蔵様が子供達を助けて、良い所に生まれ変わるよう助けてくれるとの考えは、地蔵信仰と縄文からの考えが、賽の河原の考えに結びついたのだと思っています。
 
熊野観心十界曼荼羅の中の賽の河原
 
お墓などに正面を向いた、お地蔵様だけでなく、振り向いた石像を見かけることがあります。
救いもれた子供がいないか、周りを見渡している姿だと思います。
意味は違いますが、京都の永観堂「みかえり阿弥陀さま」を思い出します。永観堂ホームページlink
 
 
東松山市岩殿の見返り地蔵
 
 
賽の河原掛軸は他の寺にあったようです。寺院名が書かれていました。
今では住職がいなくなったり、廃寺となった寺が数多くあります。
ある骨董屋さんに聞くと、ここにある仏像や仏具は全て寺から出た物ですと話していました。どこの寺かは言いませんでしたが、意外や都内のお寺さんから出た仏像仏具がありました。
手に入れた仏像の中には、業者さんのヒントで三ヶ所どの寺か分かったことがあります。
 
 
お寺も数十年すると、廃寺になる寺が数十%にもなるようです。
厳しい時代がヒシヒシと来ています。
 
 
 

アンモナイトの化石

昨日のペット合同供養カメラマンは檀家さんでした。

頼まずとも撮影するつもりで来られました。お礼にアンモナイトの化石を半分差し上げました。

 

一つの化石を半分に切り取り、中も見えるようにした化石です。

 

もう半分は儀式に参列するために、1時間前に来られた檀家さんです。

 

二人ともパワーストーンが好きで、喜んでいました。

 

実は先日、机の中を探していた物が見つからず、すっかり忘れていた化石が出てきたのです。どこで、何時求めたのかも忘れていました。

これがアンモライトと言われる七色に光る化石だと、十倍以上の価格のようです。

それでも二人とも家に飾ると話していました。

 

←第7会回 ペット合同供養            賽の河原 お地蔵様→

 

令和元年 第七回ペットの合同供養

昨日の11月第二日曜日は、ワンワンヤャンの日で、毎年ペット供養塔の前で、合同法要を行っています。

11時からですが、供養塔の前には参列舎の用意した生花が手向けられています。お寺で用意したのは大きな生け花だけです。

 

挨拶をして読経に入りました。今回は友人も助法に来られています。

 

毎回参列の檀家さんです。

 

供養塔の脇に犬猫の石像があります。この子は猫の像を指さして、○○ちゃんだと喜んでいました。

 

約60名ほどの参列者だったようです。今年は両陛下のパレードがありますので、少し少なかったのかも知れません。

 

 

終わってみると、さらに多くの花園になっていました。

 

←日高市 霊巖寺           アンモナイトの化石→

 

 

 

 

真言宗智山派 霊巖寺 花祭り しだれ桜 埼玉県日高市

先日お寺に来た日高市の郷土史研究家が、霊巖寺に勝軍地蔵像が祀られていると話していました。

たまたま日高のパン屋さんに行き、思いついてお参りに行きました。

御住職は当寺と同じ、真言宗智山派埼玉十一教区に属するお寺です。教区の布教師会長も務めています。

 

 

 

買ったパンを土産に、お話を聞かせていただきました。勝軍地蔵像は、御本堂に祀られているとのことです。

御本堂他、境内の石仏などもお参りしました。

(追記で花祭りと桜があります。)

しだれ桜開花の季節には、さぞかし見事でしょう。

 

 

箕輪観音の下に宝鏡院陀羅尼塔他、3体の石像が祀られていました。

 

庚申塔

 

こちらは笠付阿弥陀三尊です。

 

十三松堂先生のことは知りませんでした。帰って調べると正木直彦氏でした。正木直彦Wikipediaリンク

どのようなことで、ここに石像の祈念碑があるのか、後日御住職にお目にかかったとき聞こうと思います。

景仰治とありますので、ここに来られたことを記念して関係者が建立したのでしょうか。

 

先日の台風では、高麗川も甚大な被害がありました。

近くの養鶏場では何万羽の鶏が犠牲になり、橋も流された場所もあるそうです。

 

来る途中に入場塚があります。

霊巖寺第十六世御住職が、寛政9年に即身仏となったとき建てられた石塔のようです。

即身仏は山形県など、東北の日本海側に多く祀られています。隣の日高市におられたとは知りませんでした。

 

←境内の花々           第七回ペット合同供養→

 

当寺(円泉寺)の勝軍地蔵掛軸は最近もとめた愛宕権現曼荼羅です。京都の愛宕山信仰が江戸時代に各地に伝播しました。

その当時使用されていた掛軸と思います。

 

 

追記 掛軸は真言宗智山派別院真福寺に寄贈致しました。

 

追記 2022年3月25日

花祭りのご案内をいただきましたので、参拝させていただきました。

 

 

御本尊は秘仏の地蔵菩薩掛軸です。

右脇がお前立ちの地蔵菩薩、左がかつての御本尊・大日如来が祀られています。

 

枝垂れ桜の開花に合わせて、花祭りを行っています。

期間は桜が終わるまでだそうです。

 

パンフレットと黒糖のお菓子をいただきました。

自由に持っていって下さいとのことです。

 

 

追記  2022年3月28日

桜は満開でした。

 

 

先日よりカメラを持った方が多くいました。何度も来られているアマチュアカメラマンもいるのでしょう。

他の寺院などでは、スマホのみで撮影している人が多いように思います。

家内も異なる時間に桜見物に出かけています。

 

 

 

家内が参拝すると、記念品は甘茶飴になっていました。

これも美味しいです。

 

毎年桜の時期に出かけようと思います。

 

霊巖寺  埼玉県日高市大字新堀740 地図

 

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