聖天院は真言宗智山派の寺院です。
埼玉県入間郡の旧高麗群(こまごおり)にある智山派寺院の多くが末寺となっており、円泉寺もここの末寺です。
山門前には、朝鮮式の天下大将軍と地下女将軍の石柱が立てられています。
この旧高麗郡には、大陸から大勢の渡来人が来ています。さらに高句麗だけでなく、各地に移住していた新羅(しらぎ)、百済の人々も集められました。
すぐ隣に高麗神社がありますが、各地の白鬚神社は新羅が転訛したと思われています。白子の地名も同じです。
山門には大きな風神雷神の像が祀られており、山内を守っています。
山門の東側には、渡来した高麗王若光(こまのこしき じゃっこう)の廟があり、その前に狛犬ならぬ高麗羊が祀られています。
御住職の話ですと、羊は日本における狛犬の役目をしていると教えてくれました。
近々『世界ふしぎ発見!』の取材が来るそうです。
高麗王若光の墓 高麗王若光wikipedia
梵字キリーク(阿弥陀如来)の板碑です。
中門前の階段などが厳しい人は、東側から登る道もあります。
この寺の文化財は歴史を伝える、貴重な宝物です。詳しくは聖天院ホームページを参照して下さい。
中門をくぐると、客殿・庫裏に続く庭園前に出ます。元々の御本堂は、ここの庭園の場所にありました。
庭園の前を左に向かうと、ここも長い階段になりますが、御本堂への参道です。
やはり庫裏の東側から歩いて登る道もあります。
平成12年に完成した御本堂です。
私もここの落慶式には参列させていただきました。
御本堂前の八画灯籠は東大寺を模した物と思います。それぞれの面に音声菩薩が彫られています。
さて、御本堂に参拝です。
中央に不動明王、左側に歓喜天、右側に大日如来などの仏さまが祀られています。
聖天院に来ると、つくづく寺院格差を感じてしまいます。
御本堂前の見晴らしからは、左手に日高市の中心部が望めます。
鐘楼堂から在日韓民族慰霊塔に行くことができます。参拝客もここから向こうに行く人は少ないようです。
しばらく行くと、在日韓民族慰霊塔に至ります。
在日の方々が、お参りをしていました。以前お参りに来たときもおりましたので、土日や祝日には大勢の方がおいでになっていると思います。
今日は平日ですが、新型コロナウイルスのため少ないのでしょう
ここにも羊が左右におり、供養塔を守っています。更に武人もいました。
ここも若光の墓と共に平成12年の奉納です。御本堂落慶にあわせて納められたのでしょう。
さらに大きな檀君、広開土大王、王仁博士などの石像が、東側斜面に並んで祀られています。
ここは聖天院の境内ですが、信仰もそれぞれ異なる大勢の在日韓国人が参拝に訪れています。
当然日本人も気楽に訪れていると思います。
境内には阿弥陀堂があります。阿弥陀・観音・勢至の阿弥陀三尊が祀られています。
今年は武蔵野三十三観音霊場のご開帳にあたります。
追記 戦前の絵葉書を見つけました。
聖天院 埼玉県日高市大字新堀990−1 地図
※聖天院ではありませんが、面白い高麗のホームページがあれます。游古疑考倶楽部調査委員会ホームページlink