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遠山記念館の旧遠山家住宅が重要文化財になります 埼玉県川島町

秋に川島町の旧遠山家住宅が、平成30年5月18日の同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、重要文化財になることが決まりました。
近代和風建築の重文指定は県内初だそうです。
 
遠山記念館   埼玉県比企郡川島町白井沼675   

 
 
旧遠山家住宅は、日興証券(現SMBC日興証券)を創立した遠山元一氏が昭和11年に郷里に建てた邸宅です。
母・美以の住まいと遠山家の迎賓施設として使われました。
実際の建築総監督は元一氏の弟・芳雄氏が担当し、元一氏は口を挟まなかったそうです。
 
 
 
先ずは遠山記念館です。
 
 
 
今回は黒田清輝の油彩画「裸婦習作」が修復され、展示されています。
先ずは入って右手の部屋です。
 
 
向かって右側が修復前、その左の裸婦像が黒田清輝の作品です。
印刷物で見るより実際に見ると、光の中に浮かぶ姿が、それ以降の黒田清輝の作品を生み出す流れの中で、貴重な作品となっているようです。
 
橋本雅邦、菱田春草などの作品が並べてありました。
 
 
 
向かって左の引き戸は、邸宅に使用されていました。女流南画家の野口小蘋(のぐちしょうひん)により描かれています。
 
 
次に左の部屋移りました。
 
 
正面に安田靫彦「風神雷神」があります。
 
 
 
他にも速水御舟、上村松園、富岡鉄斎、安田靫彦、川合玉堂など、そうそうたる画家の作品ばかりでした。
 
 
次に旧遠山家住宅に向かいます。時代が違いますが、以前行った池之端の洋館・旧岩崎邸とは趣が異なります。旧岩崎邸のブログ link
 
母親の為の家でもあり、日本家屋としての落ち着きを感じさせています。
使用されている資材の豪華さは、月日を経て落ち着きをまし、いつまでもいたい気持ちになります。
 
ここには十数人分の靴が並んでいました。
 
 
 
 
 
 
遠山元一に対する暖かい思いが、母・美以からの手紙に感じます。
いつまで経っても、子供に対する母の愛情は、元一にとって貴重な宝だったのでしょう。
 
 
ここに来て気がついたのですが、ガラスの四隅が斜めに削られていました。
また、歪みが全く見られないことです。
 
途中ボランティアの方が説明している場に追いつきました。
説明の中に、その当時日本では歪みのないガラスが作れず、アメリカから輸入されたそうです。
遠山記念館だより第52号にも書かれていました。
 
 
 
 
水琴窟は埋もれていた物を再び使用できるようにしたそうです。
他にも三カ所あったようです。
 
小さな音で「キンキン」となる水音は、暑き日でしたが涼しさを運んでくるようでした。
 
 
 
これ見よがしの庭園ではありません。
建物、庭園など、弟・芳雄氏も優れた芸術家だったのではと思いました。
 
 
門前の池の蓮が、そろそろ咲きそうでした。これから楽しめそうです。
 
 
川島町は圏央道のインターチェンジができ、大きな工場などが進出していますが、20ほど前までは、純農村地帯の風情でした。
 
戦前はかなりの旧家が何件もありました。
他の地区のある元国会議員や前市長の奥様、親戚など、何人かの方を知っています。
 
息子の高校の同級生にもいたようです。関係ないことですが。
 
 
少し道が広がりましたが、遠山記念館の周りは、まだまだ昔とそれほど変わりません。
重文の発表があった先月には催しがあり、聞き違いかもしれませんが、千五百人が訪れたとか。
 
秋に正式に重要文化財になったら、今の道や駐車場で対応できるのか心配です。
今のうちに行くことをお勧め致します。
 
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