最近手に入れた浮世絵です。本物か、後世の復刻版かは不明です。
円泉寺の妙見堂に祀られていた妙見菩薩は、平将門公の念持仏と伝えられています。
残念ながら、現在の妙見様は、近年祀られた御尊像です。
将門公にちなみ、購入した作品です。
歌川豊国の役者絵 「平親王 将門」(平将門)
豊国には、他にも同じ様な構図の浮世絵があります。
文久二年(1862)、中村芝翫(しかん)演ずる歌舞伎の浮世絵で「御好見立三福対」の一枚です。
下の図の役者も中村芝翫かもしれません。多分四代目と思います。
「江戸の花 名勝会八番組 神田」
「江戸の花 名勝会」は東都の名所八カ所を選んで八枚一組とした作品群です。沢山の作者による江戸を紹介する錦絵のようです。
この一枚は、三代歌川豊国・歌川貞秀・歌川芳虎による一枚です。
豊国が尾上菊五郎の滝夜叉姫。
芳虎が戯画で将門公の首が飛んで、岩を噛んだ所が神田。
貞秀が神田明神の風景を描いています。
月岡芳年の浮世絵 「武者無類 相模次郎将門」
相模次郎将門とありますが、本来は相馬小次郎平将門です。
武者無類は武者震いから来ています。
大変迫力と見事な構図の浮世絵ですが、将門公はこの後に死を迎えることになります。
右上に鏑矢が描かれています。
この矢に驚いた愛馬が立ちすくみ、流れ矢に当たり討ち取られました。
いたみがありますが、四点の中で私が一番気に入っている作品です。
月岡芳年の浮世絵 「大日本名将鏡 平将門」
手前が平貞盛、奥があと少しで最期となる平将門公です。
芳年は幕末から明治に掛けての代表的な浮世絵師でした。「最後の浮世絵師」と言われています。
3代目歌川国貞(香朝楼)の浮世絵「前太平記擬ノ玉殿」
「前太平記擬ノ玉殿(ぜんたいへいきまがいのぎょくでん )」明治23年4月市村座にて初演
平親王将門(市川左団次) 桔梗ノ前(沢村源之助) 千種姫(尾上栄之助) 俵藤太秀郷(尾上菊五郎) 權ノ頭興世(中村芝翫)
豊原国周の同名の作品があります。早稲田大学演劇博物館 link
豊原国周の役者絵 平将門島広山討死の場
![20177317469.jpg](http://www.ensenji.or.jp/cwp/wp-content/uploads/old/blog/upload-images/20177317469.jpg)
将門公の背後に影武者が描かれています。影武者は六人いたと伝えられています。
この絵には二人だけですね。
![201773175628.jpg](http://www.ensenji.or.jp/cwp/wp-content/uploads/old/blog/upload-images/201773175628.jpg)
「前太平記擬ノ玉殿」の最期の場面なのでしょう。
平親王将門(市川左団次) 千種姫(尾上栄之助) 俵藤太秀郷(尾上菊五郎) 平貞盛(市川権十郎)
千種姫は知らない名前です。役者絵を集めて初めて知りました。
歌舞伎の世界では、知られているのでしょう。
明治23年版
浮世絵は江戸期の物と明治以降は開化絵とばかり思っていました。維新後の歌舞伎の衰退が、役者絵のおかげで復活したようです。
すぐには文化は変わらないものですね。
将門軍記 上下巻 著者・竹内栄久 編[他] 出版者・小森宗次郎
和本の表紙です。
竹内栄久は三代目歌川豊国でした。
明治20年1月31日の発行です。
![2017515213126.jpg](http://www.ensenji.or.jp/cwp/wp-content/uploads/old/blog/upload-images/2017515213126.jpg)
上巻:「将門と桔梗」 縦横約16.5-11.3センチ
![2017515213154.jpg](http://www.ensenji.or.jp/cwp/wp-content/uploads/old/blog/upload-images/2017515213154.jpg)
下巻:「将門と貞世」
詳細は、他のブログを参照して下さい。ブログlink
番外 滝夜叉姫と平良門
三代歌川豊国 今様押絵鑑 七綾太夫(瀧夜叉姫)
滝夜叉姫は平将門の娘とされる妖術使い。
![](http://www.ensenji.or.jp/cwp/wp-content/uploads/2017/02/6c0574da3e2117c74a9879039dc6b4d4-1-415x600.jpg)
滝夜叉姫
三代歌川豊国 今様押絵鑑 平太郎良門
良門は平将門の長男と言われる伝説上の武将。
![](http://www.ensenji.or.jp/cwp/wp-content/uploads/2017/02/69b598116931040d3792c0f4d19cefc6-1-407x600.jpg)
平良門
「江戸の花 名勝会 よ 一番組 中村芝翫/内神田橋芝崎の里/内神田」
三代歌川豊国他
![](http://www.ensenji.or.jp/cwp/wp-content/uploads/2017/02/273531143baff4e8805121a2cc584b4c-1-399x600.jpg)
「江戸の花 名勝会八番組 神田」に比べると残念ながら汚れが目立ちます。
小学生の頃、妖術比べの絵が子供雑誌に掲載されていたのを思い出します。誰かは忘れていましたが、ガマガエルとなった姿は不気味でした。
近所の子とマネをして遊んだのを思い出します。