子供の頃、端午の節句には鍾馗(しょうき)さんと金多郎さんの人形を飾っていました。
私たち子供のために、健康に育つよう、災いが訪れないようとの思いです。
鍾馗像
近在では五月人形として武者、鎧、兜、金多郎などが飾られていました。一番多いのは武者人形だったと思います。
鍾馗さんは、うちだけだったような気がします。
中国では魔除け、学業成就の神として、端午の節句に祀られたのが日本に伝わったようです。
数年前、たまたま骨董屋さんを覗くと、木造の鍾馗さんがあり、つい個人用に求めてしまいました。
木造の鍾馗さんは、初めて見ました。骨董屋さんも初めてだそうです。
小さい像ですが、なかなか風格があります。長年どこかの家で大事にされていたのだと思います。
今の造りの家では、お子さん用にこの像では合わなかったのでしょうね。あるいは娘さんだけだったのかもしれません。
人形以外にも、掛け軸を飾ることもあったようです。
鍾馗画
これも小さな掛け軸ですが、どこかの家で飾られていたのでしょう。一見怖そうですが、とても優しく感じます。
私の家でも子供のために五月人形やひな人形を飾りましたが、かなりの年月箱から出していません。
鯉のぼりは、江戸時代に鍾馗などを描いた幟を立てたのが始まりだそうです。 飯能市郷土史館 リンク
愛知や京都・滋賀・奈良など関西には屋根の上に瓦の鍾馗さんが祀られている家がたくさんあるようです。
埼玉でもさいたま市岩槻区には屋根に載せられている像を見ることが出来ます。パンフレットも用意されているそうです。 リンク
「鍾馗 埼玉」で検索すると、たくさん出てきます。何度か岩槻に行ったことがありますが、屋根の上まで見ていませんでした。 画像リンク
鍾馗の瓦の産地は、かつては各地にあったようです。
現在では、島根県石見地方、兵庫県淡路島、愛知県の3箇所が全国の8割を占めているそうです。
鍾馗水仙
もう少しすると塀の前に黄色い彼岸花が咲きます。
彼岸花の一種で「鍾馗水仙」(しょうきずいせん)と言うのだそうです。
昨年9月8日撮影
鍾馗水仙
ピンクのリコリス
シロバナヒガンバナは、なんと普通の彼岸花と鍾馗水仙の雑種だそうです。赤と黄で、どうして白い花になるのでしょうね。
昨年9月18日撮影
シロバナヒガンバナ
彼岸花
赤い彼岸花だけでなく、白も咲き出します。これからが楽しみです。