岩舟山の山上にある高勝寺は、子授・子育・安産の地蔵信仰で知られています。
案内板にあるように地蔵信仰の前には仏教以前の信仰があります。
人は亡くなると山に帰ると言われていました。山の神はご先祖様です。
関東では一番有名な場所は筑波山です。
三重県では朝熊嶽金剛證寺です。山上には沢山の大きな卒塔婆が並んでいます。 金剛證寺ブログlink
奈良の三輪山なども同じような歴史があったのではと思っています。
特に平地から独立した穏やかな山が尊ばれたようです。
山や平地でも山の神を祀る神社や社に他の神々を合祀する過程で、八幡神社や御嶽神社、住吉神社などとなっていきました。
高勝寺には古い信仰の跡に地蔵菩薩信仰が入り、多くの方々が子授・子育・安産の地蔵信仰のメッカとして変わってきたのだと思います。
あとでご紹介する賽の河原のお地蔵様が、昔の信仰を伝えているのかも知れません。
子供や水子は死しても生まれ変わると考えられていたのです。
高勝寺の地蔵信仰は以前からあったようですが、宝亀元年(770年)に伯耆国に弘誓坊明願が岩舟山上において、金色に輝く地蔵菩薩に現れ伏し拝みました。
翌年再び訪れ、この地にとどまったのが高勝寺の始まりです。
御本尊はお地蔵様です。
閻魔大王や奪衣婆も祀られていました。
御本堂脇の血の池には、たくさんの石塔やお地蔵様の石仏が建立されており、卒塔婆が納められて信仰の深さを物語っています。
お彼岸には沢山の方が参拝に訪れるようです。道路が狭く、駐車場も対応困難のため、下から歩いて登ることになっています。私が参拝に訪れると下から歩いてこられた方がいました。
山の下の参道には駐車場があるそうです。参道は岩舟駅の近くです。
毎年5月の第3日曜日には子育講がおこなわれ、多くの方々がお参りに来られています。
鐘楼
三重塔
西を望むと、この山上の高さを実感します。
奥の院には向かいませんでした。
賽の河原には、水子山やお子さんを亡くされた方々が、多く来られているようです。
西院の河原堂
岩船山高勝寺 栃木市岩舟町静3 地図link