私は妙見菩薩関連のことを調べていた頃があります。

先日、「妙見菩薩」のテーマで、卒論を書く大学生が訪ねてこられました。
有名な妙見様関連神社のお膝元に住み、従兄弟もその神社に奉職しているそうです。
ご一緒に、妙見様に詳しい権禰宜さんも来られ、本などの資料を用意して、説明させていただきました。
私よりはるかに妙見様のことを知っている方なので、弱ったと思いましたが、たてていただいて助かりました。
私の資料集には、この時知ったのですが、その方の書かかれた社報から抜き出した文章もあったことでした。
学生さんは、担当教授の指導で、方向性を以て勉強していたようでした。
以前卒論のことで電話のあった方は、電話のみでした。
今回、特にお話ししたのが、「童子形妙見菩薩像」です。
学生さんですから、資料となる本などは図書館、古本屋さん、ネットなどで探したようですが、不十分だったようで、数冊お貸ししました。
古本など、約1.500円だった本が、今では30.000円にもなっているのもあるようです。それでは無理ですよね。
誰でもお貸しするわけでなく、今回はよく知っている妙見様関連のお寺さんの紹介だったことと、一緒に来られた方が、天神社宮司・西澤師の知り合いだったからです。
自分の住む地区の妙見様に対する、熱い思いを感じました。良い卒論になるでしょう。
童子形
10年前は、童子形の言葉も知りませんでした。
東京文化財研究所でのセミナーで津田徹英先生の「中世における中国道教神の受容をめぐって」をお話を聞き始めて知ったわけです。
私もここでのレクチャーで、文章や信仰だけで調べるのでなく、現実にある物から、何か見える物があることを知りました。
私が日本中の妙見菩薩を祀る寺社、山名、地名、川などを本、電子地図、ネット、直接見聞きしたことなどを参考にを集めたのは、平面から見える物もあるのではと思ったからでした。
中国において、11世紀頃から道教神である玄武の亀と蛇が絡み合った姿が、徐々に擬人化して玄武神(真武)となりました。
中世に千葉氏など有力氏族や寺院などが直接中国と交易をし、文物が直に日本に伝わって来るなかで、妙見菩薩として信仰され、日本的な変容があったと説明がありました。日本においては中国と異なり童子の姿での像容であることが大きく異なるとのことでした。
先生によっては、直接密教系の妙見菩薩が、童子形になったと思っている方もいます。それではなぜ亀に乗っているのか、蛇が絡まっている像があるのか理解できません。

玄武 → 擬人化(玄武神・真武神) → 童子形妙見菩薩(日本)
日本における古い童子形の妙見菩薩像
※日本の美術 「中世の童子形」より
- 「正安元年(1299)七月/藤原末友」との陰刻銘。紀年在銘妙見彫像の中でも現存最古に当たる。
個人像・千葉県山武市成東
- よみうりランドの妙見菩薩像は、正安3年(1301)の銘文が体内にある。
- 建武2年(1335)、千葉県下の年号の分かる妙見菩薩像。
堀内神社 千葉県銚子市 千葉氏系・海上氏関連らしい。
- 聖徳太子や妙見菩薩の童子形については、
日本の美術442 中世の童子形 著者:津田徹英 出版: 至文堂 が詳しいです。絶版
古本が、Amazon、スーパー源氏、日本の古本屋などで、手に入ると思います。
妙見菩薩・平将門資料集 リンク
オープンレクチャー 「中世における中国道教神の受容をめぐって」 リンク
私は古文書が読めませんので、日本各地にどのくらい妙見様が祀られているかに絞りつつ、あちこちに写真撮りと美味しものを食べるのを目的として出かけました。
調べ物の内容は豊かになりませんでしたが、私の体型だけは豊になりました。脱線。
今年のオープレクチャー
今回も津田先生のレクチャーがあります。

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