一般的に涅槃図と言えば、お釈迦様の図を言います。
最近求めた日蓮聖人涅槃図は、池上館において亡くなられた日蓮聖人を中心にお弟子さんや大檀越を描いた彩色版画です。実際にここに描かれた方々が全てこのように集まられたのではないでしょう。
他の図を見ても、これほどの人数ではありません。
日蓮聖人涅槃図
池上館が日蓮聖人亡き後に寄進され、現在の池上本門寺になっています。
この図は古板(版木)が摩耗したために、池上宗仲の27代の子孫・池上太三郎が施主となり、貞秀(歌川貞秀か?)に依頼し描かれ、嘉永5年(1852)に開板したと書かれています。
この図と同じですが、色彩が施されていない図もあることが、第七百遠忌記念日蓮聖人展図録に記載されています。図録には日蓮聖人入滅図となっていました。
当寺は真言宗ですが、お世話になった大先輩が住職をしている、日蓮宗のお寺に奉納させて頂きました。
高僧の涅槃図は、これ以外にも法然上人の涅槃図があるようです。 法然上人涅槃図
見立て涅槃図として江戸時代は、かなり変わった図も描かれました。詳細は名古屋大学国際言語文化研究科・伊藤信博氏による若冲の「果蔬涅槃図」PDFが参考になります。
若冲は好きですが、このようにパロディー化された図は、どうかと思います。
追記 最近手に入れた肉筆の掛け軸です。
日蓮聖人入滅図②
また先輩のお寺に奉納します。
追記 2017/06/01
日蓮涅槃図③
ある方が日蓮宗の方にこれらの図を印刷してお分けし喜ばれたそうです。
十年ほど前、あるご住職は法話の時に日蓮聖人涅槃図を使用していると話していました。
埼玉県飯能市平松376 円泉寺 ホーム