当寺の檀家さんが、お墓を故郷に移しました。その内の二件の話しです。
一件は九州で、亡くなったご主人の実家菩提寺としまし。
子供達は反対したのですが、夫婦とも同じ地域で生まれ、仕事の関係で結婚後に飯能市に住まいをもうけたのです。
しかし、故郷ではいつの間にか自分が赤の他人になっていたことに気がついたようです。
結婚後30年以上離れていたのですから無理もありません。
子供達は、孫達に経費が掛かり墓参りに行けないと言ったそうです。
戒名も信士から禅定門になりました。九州では禅定門が信士より上の位です。これも違和感があったようです。
子供達は母亡き後、当寺で以前使用していた墓地の場所か、他の場所に戻したいと言われました。
もう一件は四国です。
四国の奧さん実家菩提寺は、無住になっていましたので、現在兼務している御住職に依頼したそうです。
しかし、檀家も多くが四散しており、無縁墓が草ぼうぼうになることに気がつきました。年二回地域の方が大掃除をして、奧さんも駆り出されたそうです。
実家が残っていても、やはりその奧さんも地域の方には赤の他人扱いだったようです。
現在は飯能市内の子供が住む近くにアパートを借りて住んでいます。
近くに住む当寺檀家さんから聞いた話でした。
他にもご主人のお骨を田舎に埋葬したいと来られた檀家さんがあります。
お子さん達の希望もあると思いましたので、よく相談するよう話しました。
返事は、まだありません。
どちらも子供達が墓参りには行けないと言われながら、帰りたい気持ちが強くなりすぎていたのでしょう。
子供が地方勤務になり、いずれ子供に世話になるには、墓を移さなければならない場合のみ、引き墓を考えるべきだと思いました。
以前当寺檀家となった方の両親葬儀を相談されたことがあります。
運良くご両親共に、近くの智山派寺院の信者さんでした。定福寺ホームページlink
父親が亡くなる前に四国のお寺さんに葬儀を依頼しておくように話しておきました。
両親が亡くなった折には、私からも依頼の電話をしています。
併せて、私が考えた戒名を伝えただけでなく、戒名説明書を寺に送りました。御親戚も納得してもらえたそうです。戒名説明書link